ウッドデッキの作り方



大型DIYの代表格がウッドデッキです。
バーベキューをしたり、洗濯物を干したり^^;いろいろと活躍してくれます。
難しそうに思えますが、モノが大きいだけに多少の誤差が気にならないので案外初心者向きです。

◎デッキ材いろいろ

ウッドデッキの材料にもいろいろありますね。代表的なものを大雑把に説明します。

☆ソフトウッド
軟らかく加工しやすい木です。比較的安く、ホームセンターでも手に入りやすい反面、耐久性はあまり高くありません。 代表的なものに、SPFとウエスタンレッドシダーがあります。
・SPF
DIYではお馴染みの木材ですね。主に家の内部に使われる木です。スプルース・パイン・ファーという、 よく似た性質を持つ木材をまとめてSPFと呼びます。素人ではどれがどの木なのか分りません。
とても軽くて軟らかいため加工は楽です。値段も安く、ホームセンターではいろんな大きさのものが 置いてあります。ただし、内部用の木材のため、外で使用する場合は耐久性に問題があります。 塗装をすることでいくらか寿命を延ばすことはできますが、頻繁に塗り直しても10年というところでしょうか。 補修を兼ねて改造していきたいマメな方や、小さめのデッキを作って壊れたら作り直すという方には良い材料だと思います。
・ウエスタンレッドシダー
SPFと比べるとかなり値段は上がりますが、ホームセンターでも手に入りやすい木材です。
柔らかさはSPFと同じくらいで加工はしやすいです。耐久性はSPFよりは高いですが、 デッキを作るならやはり塗装は必要です。

☆ハードウッド
堅くて重く、加工に苦労しますが耐久性が非常に高い木材です。値段はウエスタンレッドシダーより高いです。 ホームセンターではなかなか売っていませんね。ネットで購入して家まで運んでもらいましょう。 ハードウッドは名前の通り、とにかく堅いです。下穴を空けないとネジが通りません。 また、普通のコーススレッドでは下穴を空けてもネジ切れてしまうため、ハードウッド専用のネジが必要です。 お勧めはDIY雑誌でもお馴染みの「錐込隊長」です。値段はとっても高いですが、簡単にはネジ切れしません。
ハードウッドにもいろいろありますが、有名なのはウリンやイぺでしょうか。
・ウリン
「アイアンウッド(鉄の木)」とも呼ばれるハードウッドです。 非常に重く、水に沈みます。耐久性が非常に高く、水に沈んでいても数十年腐らないといわれています。
新しい木は赤褐色ですが、経年により色が抜けてシルバーグレイになっていきます。 これを「汚い」と感じる人は塗装したほうが良いですが、ほぼ腐らないので防腐のための塗装は必要ありません。 製作後数カ月は断面から赤褐色の樹液が出るため、束石などが汚れます。断面を塗装することで多少は抑えることができます。
・イぺ
耐水性・耐塩性が高く、港湾のデッキなどに使用されます。ウリンと同じく非常に堅くて重いので、加工は大変です。
・サイプレス
ハードウッドの中では軟らかく比較的加工はしやすいようです。 シロアリに強く、原産国のオーストラリアでは高級住宅の土台に使われています。

☆人口デッキ材
木の粉末を樹脂などで固めた人口のデッキ材があります。耐久性が非常に高く、加工もハードウッドほどしんどくありませんが、 見た目の雰囲気は本物の木材には劣ります。各社から様々な製品が出ているようです。

◎製作実例
うちのデッキの大きさは、4坪程度です。何度も作り直すには大きいので、耐久性の高い材料で作ることにしました。 人口デッキ材にしようかと思いましたが、やっぱり本物の木の雰囲気が欲しいので却下。 悩んだ結果、ウリンで作ることに決定しました。 ハードウッドの中では流通量が多いので、欲しい大きさのものが手に入ると思ったからです。
DIY関連雑誌の広告でお馴染みの「リーベ」で購入しました。一定金額以上だと送料がかからない物があり、 品揃えもかなり豊富です。約40万円分の材料を購入し、自宅に送ってもらいました。

☆使用した道具
インパクトドライバ ドリルビットを取り付けて下穴空けに、ドライバビットを取り付けてネジ締めに使用しました。ビットの取り換えが面倒なので、 実家から1本借りてきて、2本使用しました。デッキを作るなら絶対に必要な電動工具です。
丸ノコ
卓上丸ノコ
木材の切断に使用しました。ウリンはとにかく堅いので鋸で切るのは大変です。 柱用の9cm角は借り物の卓上丸ノコで切りました。これは楽です。 床用と手すり用の12cm幅のウリンは幅が大きくて卓上丸ノコでは切れなかったので、 普通の丸ノコで切りました。本当はスライド丸ノコがあると一番良いのですが、 お財布の方が厳しくてなかなか購入できません。ウリンはとても堅いのでゆっくり切りましょう。
ルーター 昔、銀細工をしていた頃使っていたもので、歯医者さんが歯を削るドリルのようなものです。 今回は植木鉢を水受けとして利用するために、排水口を取り付ける部分を削るのに使用しました。
ディスクグラインダー 床板をネジ止めするときに、ネジが根太と柱を止めているネジにぶつかってしまうことがありました。 ネジを打つ場所を変えると穴が残ってしまうので、これでネジを短く切断して誤魔化しました。 また、根太が曲がっていて床板が持ち上がってしまうようなときに、根太を削るのにも使用しました。 ホームセンターで1,480円という破格で購入したもので、途中でモーターが焼けてしまい、修理しました。 保証期間内だったので無料で新品に交換してもらえましたが、やっぱりある程度のお金を出して いいものを購入した方がトラブルは少ないんでしょうね。
さしがね 直角を測る道具ですが…これを使うのはどうも苦手で、どうしても直角にならず斜めになってしまいます^^; ウッドデッキは大きいので、これとは別にSPFの1×3材で二等辺三角形を作って直角を測りました。
クランプ 木材を固定する第3の手です。ほとんどの工程を一人で行ったので、クランプは必需品でした。
柱と根太を固定するにはかなり大きなものが必要になります。
自動車のジャッキ 車のトランクに必ず入っています。何に使ったと思いますか?答えは製作過程の中にあります。

☆製作過程 ※サイトを作る予定はなかったので、良い写真があまりなく分かりづらいかもしれません^^;

1.基礎


地面を枕木で突き固めて砕石を敷き、さらに突き固めてその上に束石を置いて基礎としました。

ただし、家の近くについては家の基礎工事のときに地面を掘ったせいで土が柔らかくなっていたので、 少し掘って砕石を敷き、広めにモルタルを流してその上に束石を置きました。(写真上)

おおよその位置に束石を置いてみました。(写真下)結構な数を使いました。 この束石もウリンと一緒にネットで買ったのですが、1個数百円の送料が掛かることに後で気づきました。 多少時間がかかってもホームセンター巡りをして 買ったほうが良かったかな…と少し後悔。柱を固定する羽根のついた束石が使いやすいです。

地面を固める→砕石を敷いて固める→束石を置く→水平器で束石の水平を確認する→砕石で調整する…という手順で 束石を水平に置いて柱を乗せます。束石が傾いていると柱も傾くので慎重に水平を確認します。 この作業は地味で時間が掛かるので、全行程の中で一番しんどい作業でした。

2.柱と根太
まずは家側の9cm角の柱と3.8cm×9cmの根太を設置します。 固まっているモルタルの上にさらにモルタルを盛り、そこに束石を置いて水平になるように調節します。 その後、窓枠のすぐ下に床が来るように計算して柱の長さを出します。 床の水平は柱の長さと根太で調節できるので、束石の高さは特に合わせる必要はありません。
ここでポイントが一つ。写真を見ると柱の向こう側に根太が入っているのが分ると思います。 床板の向きを建物と平行にしたいので、根太が柱のこちらまでしかなければ、一番家側の床板が固定できません。 しかし、根太の固定は枠板側からネジを打ち込むので、根太が家側にあってはネジが打てません。 そこで、柱を切り出して一度束石の上に置き、クランプで根太と柱を固定して水平を取ったら、 そのまま柱ごと倒して柱と枠板をネジで固定し、また束石に乗せて束石と柱を固定する、という手順を取りました。 柱と根太の合体したものは長さも重量もかなりあるので、一人でうまく立てることができず、 ここは妻の手を借りました。

家側の柱が立ち上がったら、周りから柱を立てて根太を固定し、中の根太を通していきます。 長い柱にはフェンスと手すりをつけるので、高さを合わせる必要があります。立ててから切るのは至難の技です。 柱同士の距離が短ければ、柱に板などを仮固定して水平器で板の水平を取ればOKです。
床板は根太に固定するので、短い柱の高さはおおよそ合っていれば大丈夫ですが、長過ぎると邪魔になるので 気をつけます。
根太は柱を挟むように固定していきます…が、材料をケチって根太を減らしています。根太のある側に荷重が掛かるので 本当はあまり良くありませんが、設置後1年経過した現在でも特に問題はありません。
この状態ではまだ、かなりグラグラします。不安だったので根太の下のほうに何本か補強材を入れましたが、 床板を張ればしっかりするので必要なかったかもしれません。


柱と根太が完成した状態です。フェンスをつけるので、周りの柱は高くなっていますが、 正面は階段にするために空けてあります。 階段を挟んで右側と左側の手すりの高さを合わせるには、柱の高さを合わせる必要があります。 地面の高さが違うので単純に柱の長さを合わせても高さは揃いません。 そこで、水盛り管を使って高さを合わせました。 図のように、すでに立っている右側の柱に水を入れた透明のビニールチューブの一端をセロテープで固定し、 反対側を仮に立てた柱に持っていきます。左右の水面の高さは同じになるので、 右の柱の上端に水面が来るように調節し、左の柱に水面の高さで印をつけます。 仮に立てた柱を降ろし、印の位置で切断してもう一度立てれば、左右の柱の高さが同じになります。

3.床貼り


柱と根太ができたら、次は床貼りです。完成が見えてくるので楽しい作業です。 使用した床板は幅12cm、厚さ2cmです。 下穴用とネジ止め用の2本のインパクトドライバを使い、5mm程度の隙間を取りながらひたすら貼っていきます。 ポイントは2つあります。1つは「皿取り」です。SPFなど柔らかい木材にコーススレッドを打ち込む場合は、 そのままインパクトドライバで打ち込んでいけば良いのですが、 ウリンのように堅い木の場合は下穴を空けてもネジの頭が飛び出てしまいます。 そのため、ネジの頭が入るように「皿取り」を行います。ドリルビットに通して穴空けと皿取りが同時にできる 工具があると便利です。 もう1つは床板の曲がりの矯正です。天然の木である以上、どうしても反りや曲がりがあるので、 これを真っ直ぐに矯正しながら貼っていきます。反りはネジで止めてしまえばどうにでもなりますが、 曲がりは少々厄介です。軟らかい木なら手でグイッと押しながらネジ込んでいけば良いのですが、 ウリンは非常に堅いので、手で押して何とかなるものではありません。 そこで使用したのが、自動車に搭載されているジャッキです。柱と矯正したい床板の間にジャッキを入れて ハンドルを回せば矯正することができます。床板を貼るときは、バールなどを間に差し込んで隙間を空けながら 貼っていきますが、矯正しながら貼るときはかなりの圧力が掛かる場合があり、バールが抜けなくなったり、 床板を傷つけてしまったりします。そういう場合は、トイレットペーパーなどを丸めてバールの代わりにします。 取れなくなっても濡れれば溶けてくるので床板を傷つけません。

4.階段
床貼りが終わったら階段を作りますが…実は階段の細かい設計はしていません。余った材料で作ればいいや的な感じで 作りました。2段でもいいかなと思ってましたが、子どものことを考えて低めの3段にしました。
2段目の基礎は30cm角のコンクリート板です。本体と同じ柱を基礎の上に2本立て、根太を渡します。 写真を見ると色が違うのが分るでしょうか。階段の根太はウリンではなく、ウエスタンレッドシダーです。 単に根太用のウリンが足りなかっただけです^^;ウエスタンレッドシダーならホームセンターでも手に入ります。 根太の上に床と同じ板をネジ止めするだけです。写真はありませんが、1段目の基礎はコンクリートブロックにしました。 上にウエスタンレッドシダーを置いて、その上に床板をネジ止めして終わりです。
階段の根太は本体の柱にネジ止めし、ズレないようにしてあります。

5.手すり&フェンス
手すりは厚さ3cm、幅12cmのウリンです。柱の高さをしっかり合わせているので、乗せてネジ止めするだけです。 コーナーは45度にカットして接続しています。
フェンスは赤松の角材を床と手すりにネジ留めし、杉板を縦に貼りました。階段と同じく細かく設計せず、 思いつきで作っています^^; ウリンと色が違いますが、それはそれでいいかな・・・と思っています。水性のクリア塗料を塗っていますが、 いつまで持つでしょうか? 写真は製作1年後のものです。だいぶ汚れてきました。

6.アイテム




@手洗い場
バーベキューをしたり、畑で採れた野菜を洗ったりできるように、デッキ上に手洗い場を作りました。 1番目の写真右の黒いのが給水管で、左下の太い灰色が排水管です。 給水管は立水栓を作るときに分岐させたものです。 排水は、ホームセンターで購入した排水口のセットのホースを排水管に差し込み、 排水管は地下で雨どいに接続しています。 給水管の途中にはバルブがつけてあります。これがあると将来蛇口を交換するときに、 水道の元栓を閉めなくて良くなります。

師範の水受けは高いので、植木鉢を加工して使いました(2番目の写真)。植木鉢の穴をルーターで削って広げ、 排水口がはまるように皿取り(?)をしました。写真は製作1年後なので汚れています^^;

手洗いの側面にタイマーを2つ設置しました。ホームセンターで安売りしていたものです。 一応屋外用ですが、雨がかからないように扉の中に入れました。24時間の時計がついていて、 15分毎にオン・オフの切り替えができます。コンセントの穴はタイマーでオン・オフできる穴と、 常時オンの2つです。タイマーを家の壁にある屋外用コンセントにつなぎ、 常時オンの穴にはもう一つのタイマーを接続しました。 オレンジの管の入口は水と虫の侵入を防ぐため、シリコンコーキング材で塞いでいます。






Aマリンランプ
DIY関連雑誌を見ていて「いいなー」と思ったのがマリンランプです(1番目の写真)。 そこで、階段を挟んでマリンランプを2つ設置してみることにしました。 ホームセンターではなかなか売っていないのでネット通販で購入しました。 ランプ本体だけで売っているので、電球・コード・コンセントのプラグは別で購入する必要があります。

手洗いの側面のタイマーから床下を通してコードを引っ張っています。 今までの写真に登場しているオレンジの管がコードの通っている管です。屋外用のコードなので そのままでも大丈夫だと思いますが、念のために管の中に入れることにしました。 この管は本来コンクリート埋設用の管で、ホームセンターで購入しましたが、50m単位で売っていたので 大量に余ってしまいました^^; 床下からランプまではフェンスの枠に沿って管を通しています。2番目の図の赤線が管です。 オレンジが外から見えると見栄えが悪いので、赤松の角材に溝を彫り、その中に隠しています。

2段になっている手すりの下の段にコードを通す穴を空け、ランプを乗せます。 ランプの底に穴が空いているので、そこからコードを通して皮を剥き、端子に接続します(3番目の写真)。 穴から水が入るのを防ぐため、シリコンコーキング材で穴をふさぎました。 電球を入れて蓋をねじ込みます。ゴムパッキンがついているので水は入りません。

60Wの白熱電球なので、あくまで雰囲気です。回りを明るく照らすほどの明るさはありません(4番目の写真)。 タイマーも2つ使用しているので、点灯時間をズラすことができます。 実は一つ失敗が…。ランプの設置した位置が悪く、階段が真っ暗になってしまいました。


☆お勧めグッズ ※画像をクリックすると新しいウインドウで楽天市場のページが開きます^^;
○超鋼面取りカッター
ドリルビットに通してレンチで固定すると、穴あけと皿取りが同時にできます。ドリルの太さは3〜7.2mmまで対応しているので、 いろんな太さの皿取り錐を何本も用意する必要がありません。
○錐込隊長(4.5×65mm)
ハードウッドに普通のコーススレッドを使用するとネジ切れてしまいますが、 錐込隊長ならほとんどネジ切れせずにハードウッドの接合ができます。 値段は少し…いや、かなり高いですが、それだけの価値はあると思います。 ※下穴はあけてくださいね。
○ウッドデッキ材サンプルセット
DIY雑誌を見るといろんな種類のデッキ材の説明がありますが、実際に見て触ってみないと分かりませんね。 たった1,000円で12種類のデッキ材サンプルと錐込隊長、カタログなどが購入できるんですよ。 デッキ材で迷っている方にはお勧めです。
○マリンランプ
ランプがあるとデッキの雰囲気はぐっと良くなります。タイマーやセンサーと組み合わせて使うのがお奨めです。
※電球・コードはついていないので、別に購入しましょう。


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工具に木材、ネジ、マリンランプまで、ウッドデッキの材料ならほとんどここで揃います。